「1日30分しか寝ない生活を続けることは可能なのか?」
そんな疑問をめぐり、ショートスリーパーとして知られる堀大輔氏と、高須医師との間で激しい議論が行われました。
議論では、単に「何時間寝るべきか」という話だけではなく、睡眠改善プログラムの内容や、医学的な一般論と個人差、さらには「睡眠時間を短くすること」と「不眠」は同じなのか、といった問題まで話が広がりました。
今回は、以下の動画を時間が少ない人のために要点をまとめてみました。
1日30分睡眠をめぐる疑問
議論のきっかけとなったのは、堀氏が「1日30分睡眠を7日間続けるライブ配信」を行うという話です。
対談相手の高須医師は、堀氏が長年にわたって1日30分睡眠を続けているという主張について、100%信じているわけではないと発言。
一方の堀氏は、「疑うこと自体は構わない」としながらも、根拠が十分に示されないまま「嘘つき」といった表現で扱われることには反発しました。
また、自身について否定的な発信が行われた結果、視聴者からの誹謗中傷が増え、ライブ配信の雰囲気や事業にも影響が出たと主張しています。
「睡眠改善プログラム」は睡眠時間を短くするものなのか
議論の中心となったのが、堀氏が提供している「睡眠改善プログラム」です。
高須医師側は、このプログラムについて「お金を払って睡眠時間を短くするものなのではないか」という疑問を投げかけました。
これに対して堀氏は、睡眠時間を短くすること自体がプログラムの目的ではないと説明しています。
長く寝たい人は長く寝ればよく、短くしたい人についても、その希望を否定するものではない。
重要なのは睡眠時間そのものではなく、睡眠に悩んでいる人が、その人自身の生活をより良くできることだというのが堀氏の主張です。
睡眠時間ではなく「活動」から改善する
では、具体的に何をするのでしょうか。
堀氏によると、睡眠そのものだけを変えようとするのではなく、日中の活動や生活習慣を見直すことを重視しています。
議論の中では、次のような方法が例として挙げられました。
- 運動を取り入れる
- 食事を見直す
- 寝る前の行動を変える
- 呼吸法を取り入れる
- 寝具や睡眠環境を見直す
- 室温などの環境を調整する
- 入浴のタイミングを見直す
- 体の硬さなど身体面を確認する
- 「寝なければならない」という思い込みを見直す
つまり、堀氏が説明する睡眠改善は、単純に「睡眠時間を削る」というものではありません。
一人ひとりが眠れない原因を聞き、その人の生活や身体の状態に合わせて改善方法を考えることを重視していると説明しています。
「7〜9時間寝るべき」という常識への疑問
議論がさらに複雑になったのが、「人間は何時間寝るべきなのか」という問題です。
高須医師側は、一般的な医学的知識として、睡眠時間が短すぎると集中力の低下や不安、幸福感、攻撃性などに影響する可能性があるとして、十分な睡眠を取ることの重要性を説明しました。
一方、堀氏が問題視したのは、「7時間、8時間、9時間寝なければならない」という数字が、必要以上に人を縛ってしまうことです。
たとえば「明日は仕事だから絶対に7時間寝なければ」と考えることで、かえって眠れなくなることがあります。
堀氏は、睡眠時間を確保することが目的になり、人生そのものが「睡眠のため」に組み立てられてしまうことに疑問を呈しました。
重要なのは、一般的な平均値に自分を合わせることではなく、自分の生活や目的との関係で睡眠を考えることだという考え方です。
「短い睡眠」と「不眠」は同じなのか
議論の中で特に印象的だったのが、「睡眠時間が短いこと」と「不眠症」は同じなのかという問いです。
堀氏は、プログラムを受けた人の中には睡眠時間が短くなった人もいると説明しました。
一方で、それをすぐに「不眠」と結びつけることには疑問を呈しています。
つまり、
睡眠時間が短い=眠れない
とは限らないのではないか、という問題です。
実際、議論では「4〜5時間しか寝ていない人」と「不眠症の人」を同じものとして扱ってよいのかという点が繰り返し問われました。
「ショートスリーパーは0.5%未満」という数字にも疑問
もう一つの大きな論点が、いわゆる「先天的なショートスリーパー」の割合です。
高須医師側からは、4〜5時間程度の睡眠で問題なく生活できる人は非常に少なく、「0.5%未満」という数字が示されました。
これに対して堀氏は、その数字がどのような方法で測定されたものなのかを質問。
高須医師側は、その場では具体的な測定方法や根拠を説明できず、「一般的に言われている数字」として紹介したものであることを認めています。
ここで重要なのは、「0.5%未満」という数字そのものが、この対談の中で検証されたわけではないということです。
したがって、この数字だけを根拠に「ショートスリーパーはほとんど存在しない」と結論づけることも、この動画だけからはできません。
睡眠時間は環境によって変わる?
堀氏は、睡眠時間は環境によって変化すると説明しています。
たとえば、仕事がなく時間に余裕がある状態と、非常に忙しい仕事をしている状態では、生活リズムそのものが異なります。
そのため、「この人には必ず○時間の睡眠が必要」と一律に決めることに疑問を持っています。
堀氏の考え方では、睡眠時間を他人が決めるのではなく、その人の生活環境や活動量なども含めて考える必要があります。
プログラムを受けた人の睡眠時間はどう変わったのか
議論の中では、プログラムを受けた人のデータについても質問がありました。
堀氏は、受講者のうち睡眠時間が短くなった人は「7割くらいではないか」と回答。
また、全体としては睡眠時間が平均で約2時間14分短くなったという説明もありました。
ただし、短くなった人だけを対象にした平均睡眠時間については、データを取っていないとしています。
さらに、すべての人が短くなるわけではなく、睡眠時間が長くなる人もいると説明しています。
ここは記事として非常に重要なポイントです。
「睡眠改善プログラム=4〜5時間睡眠にする」という単純な構図ではなく、堀氏自身は「睡眠に悩まなくなること」を重視していると説明しているからです。
未成年へのプログラムをめぐる議論
さらに議論は、未成年者にも及びました。
堀氏によると、これまで9歳の受講者もおり、未成年者の場合は保護者の同意が必要としています。
ここでは、もし子どもの睡眠時間が4〜5時間になった場合、それをどう考えるのかという問題が大きな論点になりました。
高須医師側は、成長期の子どもについては十分な睡眠が必要だという立場を示しました。
一方、堀氏は、プログラムの目的は睡眠時間を短くすることではなく、寝付きや寝起き、日中の眠気などを改善することだと改めて説明しています。
この部分は、大人と子どもの睡眠を同じ基準で考えてよいのかという、重要な論点を含んでいます。
睡眠改善プログラムにはどれくらいの費用がかかる?
議論では、プログラムの料金についても話題になりました。
堀氏によると、当時の料金は初月が月額15万円。
その後の継続は月額3万3,000円(税込)で、約40人が継続しているという説明でした。
内容としては、早朝のオンライン授業や、寝る前のエクササイズなどを行い、受講者が一人では継続しにくいことを考慮して、一緒に取り組む形式を採用しているとしています。
結局、「睡眠改善プログラム」は悪いのか?
この議論で最後まで決着しなかったのが、この問題です。
高須医師側は、短時間睡眠になる可能性や、特に子どもの睡眠について懸念を示しました。
一方、堀氏は「4〜5時間睡眠にすることが目的ではない」と繰り返し主張。
あくまで、眠れない、起きられない、日中眠いなどの悩みを改善し、その人の生活をより良くすることが目的だと説明しています。
最終的に高須医師側は、睡眠改善プログラムについて、その場では明確に「悪い」とも「問題ない」とも結論づけず、内容を十分に把握していないため保留する形になりました。
この辺りは、ほかのSNSでも話題になっていますが、堀氏が考える睡眠改善プログラムと世間が堀氏が提供している睡眠改善プログラムに差があることが原因かと思います。
この議論から考えたい「睡眠」の本当の問題
今回の議論で浮かび上がったのは、「何時間寝れば正解なのか」という単純な問題ではありません。
睡眠については、
「○時間寝なければならない」
という数字だけを見るのではなく、
- 日中に強い眠気がないか
- 起きたときに十分に休めているか
- 集中力や生活に問題がないか
- 自分の生活リズムに合っているか
- 睡眠そのものを過度に気にしていないか
など、さまざまな要素から考える必要があります。
一方で、短時間睡眠を「誰でも実現できる」と考えてしまうのも危険です。
今回の対談では、医学的な一般論と個人の体験、統計データと個人差、そして「睡眠時間を短くすること」と「睡眠の悩みを改善すること」が混同されやすいことが、大きな論点になりました。
まとめ
「1日30分睡眠」という極端なテーマから始まった今回の議論。
しかし、話を整理すると、本当に考えるべきなのは「30分で寝られるのか」だけではありません。
睡眠時間は目的なのか、それとも人生をより良くするための手段なのか。
「7時間寝なければならない」という数字に縛られて眠れなくなる人もいれば、十分な睡眠を確保しなければ生活に支障が出る人もいます。
だからこそ、睡眠について考えるときには、単純に「長い=正しい」「短い=悪い」と決めつけるのではなく、睡眠時間・睡眠の状態・日中の活動・生活環境などを総合的に考えることが重要なのかもしれません。
今回の対談は、ショートスリーパーの真偽だけでなく、「私たちはなぜ、睡眠時間という数字にこれほど強く縛られているのか」を考えるきっかけにもなる議論でした。



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