自民党新総裁・高市早苗氏選出の影響|保守回帰の波紋と政権運営の行方

政治経済

自民党は7日、新総裁に高市早苗氏(64)を正式に選出し、執行部を決定しました。

幹事長に鈴木俊一氏、副総裁に麻生太郎氏を充てる人事で、麻生派・旧茂木派の影響力が強まる「論功行賞」色が濃い布陣となっています。

一方で、公明党内の動揺や経済政策への懸念が広がり、連立政権の安定性や外交摩擦の可能性が注目されています。

共同通信の緊急世論調査では、自民党支持率が前回比10.3ポイント上昇の33.8%を記録し、短期的な「ご祝儀相場」を示していますが、長期的な影響は不透明です。

党内人事と保守回帰の加速

高市氏の総裁選勝利は、麻生太郎元首相の後押しが鍵となりました。

執行部人事では、麻生派の麻生氏が副総裁に復帰し、旧茂木派の萩生田光一氏が幹事長代行に就くなど、総裁選での貢献を反映した配置が目立ちます。

これにより、党内では「裏金問題」で失脚した旧安倍派の復権が進む可能性が高く、野党からは「自民党の体質が変わらない」との批判が相次いでいます。

SNS上でも、「麻生氏の影響力が格段に増す。最悪の展開」との声が上がり、靖国神社関連の政策や皇位継承問題への懸念を指摘する投稿が見られます。

高市氏自身は会見で「未来の不安を希望に変える」と強調し、女性初の総裁として「鉄の女」像をアピールしました。
しかし、保守志向の強さが党内運営の硬直化を招くとの懸念もあり、過去の総裁選同様、支持率浮揚効果は限定的との分析もあります。

連立政権への波及と公明党の動揺

連立与党の公明党では、高市氏の歴史認識や政治資金問題へのスタンスに対し、党内動揺が広がっています。

朝日新聞によると、「学会内に連立離脱の声も」との情報があり、創価学会の支持基盤に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

総裁選後の人事で公明党の要職起用が少ない場合、衆院選に向けた協力体制に亀裂が入るリスクが高まります。

一方、SNS上では「自民党保守系回帰で支持が戻る」との肯定的意見も見られ、参政党の支持率低下(前回比2.8ポイント減)と連動した保守層のシフトを示唆する声もあります。

外交・国際関係への影響

韓国メディアは高市氏の選出を「韓日関係に赤信号」と報じ、靖国参拝や歴史認識をめぐる摩擦再燃を警戒しています。

BBCの分析では、高市氏の「マーガレット・サッチャー尊敬」発言から、強硬外交の可能性が指摘されています。
ガザ情勢や米トランプ新政権との関係で、日米同盟強化は期待されますが、アジア太平洋地域での緊張が高まる懸念もあります。

経済政策と市場へのインパクト

高市氏は「責任ある積極財政」を掲げ、物価高対策として中小企業支援の交付金を強調しています。

赤字国債発行を「やむを得ない」と位置づけ、戦略的な財政出動で「強い経済」を目指す方針です。

これに対し、SBI証券のレポートでは、石破内閣からの「リベラル回帰」から保守シフトへの転換が市場の構造的逆風を生むと分析しています。

実際、ドイツ銀行は高市氏勝利を受け、円への強気スタンスを中立に変更し、ドル円が一時150円近辺まで下落する可能性を指摘しました。

SNS上ではワークライフバランスに関する発言が話題となり、ジェンダー政策の柔軟化を期待する声もありますが、財政拡大によるインフレ懸念が投資家心理を冷やしています。

世論とメディアの反応

メディアでは、お笑い芸人の山里亮太氏が

「自民党政治を変えてくれる人と思っていたが、不安」

と述べ、麻生氏の影響力を強調しました。

平将明デジタル相も麻生氏の影響力に関する発言を「事実誤認」として反省するなど、党内混乱の兆しが見えています。

SNS上の最新投稿では、支持率上昇を歓迎する一方、「オールドメディアの忖度」との批判も見られます。

結論:新局面の鍵は人事と政策実行

高市新政権は、保守回帰による短期的な支持率上昇が期待されますが、公明党との調整や経済政策の具体化が成否を分けることになるでしょう。

11月の臨時国会で内閣改造が進む中、衆院解散・総選挙のタイミングが焦点となります。
市場は円安進行を警戒しており、外交面ではアジア諸国との対話が急務となっています。

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