2026年2月18日、ミラノ・アイススケーティング・アリーナ。氷上の熱気は最高潮に達しました。ミラノ・コルティナ冬季五輪フィギュアスケート女子シングル・ショートプログラム(SP)が行われ、日本勢がその圧倒的な実力を世界に見せつけました。
新星・中井亜美選手がトリプルアクセルを武器に首位に立ち、女王・坂本花織選手が異次元のスケーティングで2位にピタリとつける展開。さらに千葉百音選手も4位と、日本勢による表彰台独占が現実味を帯びています。
本記事では、提供された公式リザルトの数値を基に、上位陣の演技内容とスコアの構成を徹底的に解剖します。
女子SP上位陣リザルト比較
まずは上位5名と日本勢のスコア内訳を確認しましょう。技術点(TES)と演技構成点(PCS)のバランスに各選手の戦略が現れています。
【SP上位スコア一覧表】
| 順位 | 名前 | NOC | 合計点 | 技術点(TES) | 構成点(PCS) | 減点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 中井 亜美 | JPN | 78.71 | 45.02 | 33.69 | 0.00 |
| 2 | 坂本 花織 | JPN | 77.23 | 40.08 | 37.15 | 0.00 |
| 3 | アリサ・リュウ | USA | 76.59 | 41.34 | 35.25 | 0.00 |
| 4 | 千葉 百音 | JPN | 74.00 | 38.72 | 35.28 | 0.00 |
| 5 | A. ペトロシアン | AIN | 72.89 | 40.44 | 32.45 | 0.00 |
徹底分析:首位・中井亜美、異次元の技術点「45.02」
中庭健介コーチらの指導のもと、『La Strada(道)』のメロディに乗せた中井選手の演技は、まさに「技術の勝利」でした。
- 勝負を分けた「トリプルアクセル」: 冒頭に組み込んだトリプルアクセルで9.71点を叩き出しました。これは今大会の女子SPにおける最大の武器となりました。
- 盤石の構成: 3Lz+3T(11.36点)のコンビネーションから始まり、すべてのスピン・ステップでレベル4を獲得。TES 45.02点は、2位の坂本選手に約5点の差をつける圧倒的な数字です。
- 構成点の成長: PCSも33.69点と安定。構成(CO)8.25、プレゼンテーション(PR)8.54と、表現面でも世界のトップ層に食い込んでいます。
3. 女王の気品:坂本花織が示した「スケーティングの極致」
中野園子コーチ陣と共に挑んだ『Time To Say Goodbye』。スコアの数字以上に、その演技は観客を魅了しました。
- 世界最高のPCS: 演技構成点37.15点は、全選手の中でぶっちぎりの1位。特にスケート技術(SK)の9.39という評価は、現代フィギュア界において坂本選手だけが到達できる領域と言っても過言ではありません。
- 質の高いエレメンツ: TESこそ40.08点ですが、ステップシークエンス(5.57点)やチェンジフットコンビネーションスピン(4.65点)など、一つ一つの要素の質(GOE)で着実に得点を積み上げました。
4. 表彰台を狙う実力者たち:アリサ・リュウと千葉百音
アリサ・リュウ
3Lz+3Loという非常に難度の高いコンビネーション(11.71点)を成功させ、TESでは中井選手に次ぐ41.34点をマーク。PCSも35.25点と高く、フリーでの逆転を十分に射程圏内に捉えています。
千葉百音
浜田美栄コーチらのもと、『Last Dance』を華麗に舞いました。3Lz(7.00点)やステップ(5.46点)で高い加点を獲得。PCS(35.28点)が坂本選手、リュウ選手に次ぐ評価を得ている点は、フリーに向けて大きな強みとなります。
現地ミラノの熱狂と海外メディアの反応
リザルトの数字だけでは語れない、現地のリアルな空気感をお伝えします。
地元観客を味方につけた日本勢
イタリア・ミラノの観客は非常に耳が肥えており、スケーティングの質に敏感です。坂本花織選手が演技を終えた瞬間、アリーナ全体がスタンディングオベーションに包まれました。現地観客からは「彼女のスピードは次元が違う。まるでリンクが狭く見えるようだ」と感嘆の声が上がっていました。
「驚異の10代」中井亜美への海外メディアの評価
アメリカや欧州のスポーツメディアは、首位に立った中井選手を「Rising Star(昇る新星)」と称賛。特に米NBC放送の解説者は、「中井の3A(トリプルアクセル)の安定感は、女子フィギュアの勢力図を塗り替える可能性がある」と最大級の評価を送っています。
アリーナ裏での交流
SP終了後のミックスゾーンでは、ライバル同士である坂本選手とアリサ・リュウ選手が笑顔で言葉を交わす場面も。過酷な勝負の世界にありながら、互いの健闘を称え合うフィギュアスケートならではのスポーツマンシップが、現地ファンの心を温めていました。
フリープログラム(FS)に向けた展望と注目ポイント
SPを終えて、1位の中井選手から4位の千葉選手までの差はわずか「4.71点」。この僅差は、フリーの演技一つで順位が完全に入れ替わることを意味します。
【逆転の鍵を握る要素】
- 高難度ジャンプの成否: 中井選手のトリプルアクセルが再び火を噴くか。
- 後半のスタミナ: 坂本選手の持ち味であるパワフルな演技が、フリー後半のジャンプにどう影響するか。
- PCSの積み上げ: 千葉選手、リュウ選手がどこまで表現力でスコアを伸ばせるか。
- AINのペトロシアンの追い上げ: 5位(72.89点)につけるペトロシアンも、TES 40.44点と爆発力を持っています。
まとめ|日本フィギュアの歴史が動く瞬間を逃すな
ミラノの地で、日本女子フィギュアはかつてないほどの輝きを放っています。経験豊富な坂本選手、若き技術者の中井選手、そして高い完成度を誇る千葉選手。三者三様の強さが噛み合い、ミラノの表彰台に3つの日の丸が掲げられる瞬間が、すぐそこまで来ています。
運命のフリープログラムは、さらにハイレベルな戦いになることが予想されます。全選手が怪我なく、持てる力をすべて出し切れるよう、日本から熱いエールを送りましょう!
データ引用元:2026年ミラノ・コルティナ五輪公式リザルト

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