ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック、フィギュアスケート団体戦の予選全4種目が終了しました。日本代表は、男子シングル・女子シングル・ペアの3種目で1位(各10ポイント)を獲得するという、これまでの日本フィギュア界の常識を覆す圧倒的な力を見せ、合計33ポイントで予選2位通過を決めました。
首位を走る絶対王者アメリカ合衆国(34ポイント)とは、わずか「1ポイント」差。悲願の団体金メダルという歴史的快挙に向け、最高のボルテージで決勝フェーズへと駒を進めました。
団体予選:最終結果(上位5カ国・決勝進出)
全種目の合計ポイントに基づき、以下の5カ国がメダルを争う決勝に進出しました。
| 順位 | 国名 | 合計 | 男子SP | 女子SP | ペアSP | ダンスRD |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | アメリカ合衆国 | 34 | 9 | 9 | 6 | 10 |
| 2位 | 日本 | 33 | 10 | 10 | 10 | 3 |
| 3位 | イタリア | 28 | 6 | 8 | 8 | 6 |
| 4位 | カナダ | 27 | 8 | 5 | 7 | 7 |
| 5位 | ジョージア | 25 | 5 | 6 | 9 | 5 |
競技別ハイライト:日本代表の「3階級制覇」
今回の予選において、日本は全4カテゴリーのうち3カテゴリーでトップの10ポイントを奪取するという驚異的なパフォーマンスを披露しました。
1. 男子シングル:鍵山 優真 —— 「4回転の神」を精密さで凌駕
男子ショートプログラム(SP)に登場した鍵山優真選手は、持ち前の高いスケーティング技術と完璧なジャンプ構成でリンクを支配しました。
- 順位: 1位(10pt獲得)
- 対決の構図: 世界最高難度のジャンプ構成を持つアメリカのイリア・マリニン選手(9pt / 2位)との直接対決。鍵山選手は出来栄え点(GOE)で着実に加点を積み重ね、マリニン選手の爆発力を精密な技術で上回りました。3位にはカナダのステファン・ゴゴレフ選手が食い込み、イタリアのダニエル・グラスル選手は5位に沈んでいます。
2. 女子シングル:坂本 花織 —— 世界女王の威厳とスピード
女子SPの坂本花織選手は、会場全体を飲み込むような圧倒的なスピードで演技を完遂しました。
- 順位: 1位(10pt獲得)
- 対決の構図: アメリカの有力候補アリサ・リュウ選手(9pt / 2位)との一騎打ち。坂本選手は力強い3回転のコンビネーションジャンプを決め、2位以下に差をつけてフィニッシュ。3位のララ・ナキ・グットマン選手(イタリア)ら強豪を抑え、チームに勢いをもたらしました。
3. ペア:三浦 璃来/木原 龍一 —— 「日本の弱点」から「最大の武器」へ
かつて日本の団体戦において最も課題とされていたペア競技ですが、「りくりゅう」ペアがその歴史を塗り替えました。
- 順位: 1位(10pt獲得)
- 対決の構図: 急成長を見せるジョージアのメテルキナ/ベルラワ組(9pt / 2位)を僅差で振り切り、堂々の1位。アメリカのカム/オシェイ組(6pt / 5位)が順位を下げたことも、日米の差を縮める大きな要因となりました。
4. アイスダンス:吉田 唄菜/森田 真沙也 —— 初舞台で繋いだ絆
- 順位: 8位(3pt獲得)
- 対決の構図: アイスダンスは世界屈指の層の厚さを誇るアメリカのチョック/ベイツ組が首位を独占(10pt)。若手の「うたまさ」ペアは、カナダやイタリアのベテラン勢がひしめく中で8位に踏みとどまり、予選通過に必要な3ポイントをチームへ献上しました。
各国の戦力分析と決勝への展望
日本:悲願の金メダルへ「1点」の壁
日本が金メダルを獲得するためには、決勝(フリー)でも男子・女子・ペアでの優位性を保つことが絶対条件です。特に男子の鍵山選手がマリニン選手を再び抑えられるか、そしてペアの「りくりゅう」がジョージア勢との接戦を再び制することができるかが最大の注目点です。
アメリカ:バランスとダンスの絶対的優位
首位のアメリカは、アイスダンスで確実に10ポイントを計算できる強みがあります。また、男子のマリニン選手や女子のリュウ選手がフリーでリベンジを果たせば、日本との差は再び広がる可能性があります。ペア競技での取りこぼしをどこまでカバーできるかが焦点です。
イタリア・カナダ・ジョージア:表彰台のキャスティングボート
地元イタリアは女子のグットマン選手やペアのコンティ/マッツィ組が好調で、銅メダル争いの最有力候補です。また、ジョージアはペアが非常に強く、上位の順位をかき乱す「ダークホース」として存在感を放っています。
総括:チーム・ジャパン、歴史的瞬間に王手
これまでの冬季オリンピックにおいて、日本がフィギュア団体戦でアメリカをこれほどまでに追い詰めたことはありませんでした。3種目での首位獲得は、日本が「シングル大国」から「総合力のあるフィギュア王国」へと変貌を遂げた証です。
残すは決勝フリー。全選手が持てる力を出し切った時、表彰台の真ん中で「君が代」が流れる瞬間が、現実のものになろうとしています。
がんばれ、チーム・ジャパン!




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