「民主党員は狂人だ!」
2025年10月末、トランプ大統領がSNS「Truth Social」に投稿した言葉が、全米、そして世界の市場を揺るがしています。

40日を超え、米国史上最長の記録を更新し続けた「2025年政府閉鎖」。国家の機能が麻痺する極限状態で、トランプ氏が突きつけたのは、上院の伝統を根本から破壊する「フィリバスター(議事妨害)の撤廃」という究極の選択でした。
なぜ彼はそこまでしてルールを変えようとしているのか?
そもそもフィリバスターとは何なのか? 私たちの生活への影響を含め、徹底解説します。
そもそも「フィリバスター」って何?

トランプ氏が「消し去れ!」と怒りを露わにしている「フィリバスター」。一言で言えば、「少数の反対派が、法案の採決を無理やり引き延ばして阻止する戦術」のことです。
アメリカの上院(100議席)には、日本にはない独特なルールがあります。
1. 「60人の壁」の存在
通常、法案を通過させるには51票(過半数)あれば十分だと思われがちです。
しかし、上院では「議論を終わらせて採決に進む」ために60票の賛成が必要というルールがあります。
2. 「嫌なら喋り続けろ」
反対派が「まだ議論が終わっていない!」と主張し続ける限り、採決に移ることができません。
昔は実際に数日間演説し続けることもありましたが、現在は「フィリバスターを行う」と宣言するだけで、60票が集まらない限りその法案は「お蔵入り」になります。
3. トランプ氏が狙う「核のオプション」
トランプ氏の要求は、この「60人の壁」を壊し、「過半数の51票だけで何でも決められるようにルールを変えろ」というものです。これは議会のパワーバランスを劇的に変えてしまうため、「核のオプション(Nuclear Option)」と呼ばれています。
トランプ氏の主張:なぜ「今」ルールを壊せと言っているのか?

翻訳すると以下のような内容になっています。
フィリバスター(議事妨害)を廃止せよ。政府閉鎖のためだけでなく、他のあらゆることに対してもだ。そうすれば、我々の常識的な政策(有権者IDカードの義務化はどうだ?)をすべて承認させ、アメリカを再び偉大にすることができる! 忘れるな、民主党はチャンスがあればすぐにでも(フィリバスター廃止を)やるはずだ。我々が先にやることで、彼らにチャンスを与えないようにするのだ。共和党員よ、タフに、そして賢くなれ! 民主党員は狂ったルナティック(狂人)だ。彼らは、どれほど多くの人々が修復不可能な被害を受けようとも、この国を(正常に)開放しようとはしないだろう!
トランプ氏の投稿を読み解くと、彼が焦っている理由が見えてきます。
- 政府閉鎖の泥沼化
2025年10月に始まった政府閉鎖は、40日を過ぎても解消の目処が立ちませんでした。
トランプ氏は「民主党がフィリバスターを盾に予算案を人質にしている」と激怒しています。 - 「常識的政策」の一挙通過
投稿の中で「有権者IDカード(Voter ID)の義務化」に触れています。
フィリバスターさえなくなれば、不法移民対策や関税強化など、共和党の看板政策を民主党の反対を無視して数日で法制化できるようになります。
もしフィリバスターが廃止されたらどう変わるのか?

もしトランプ氏の要求通りにルールが廃止されたら、世界はこう変わります。
① 「超スピード政治」の幕開け
大統領がやりたいことが翌週には法律になるような、凄まじいスピード感の政治が始まります。
投資家にとっては予測が追いつかない激動の時代になります。
② 「諸刃の剣」のリスク
共和党の重鎮たちが廃止に慎重なのは、理由があります。
いつか民主党が政権を取ったとき、今度は共和党が何の抵抗もできず、自分たちの作った法律をすべて数日で白紙にされる恐れがあるからです。
日本の私たちへの影響:円安、株価、そして貿易

「アメリカの議会ルールの話でしょ?」と他人事ではいられません。
- 為替と株価の乱高下
米国の統治システムが変わる=政治的不確実性が増します。これはドル売り・円買いの引き金になったり、NYダウが1日で1,000ドル以上動くようなボラティリティを生みます。 - 日本車への関税が即決?
フィリバスターという「ブレーキ」がなくなれば、トランプ氏が掲げる「日本への100%関税」といった極端な政策も、議会であっさり可決されてしまうリスクが高まります。
まとめ:トランプ氏の「本気度」をどう見るか
この投稿は、単なるSNS上の不満爆発ではありません。
「伝統よりも、今すぐ結果を出せ」という、トランプ流政治の宣戦布告です。
共和党内でも「伝統を守るべきだ」とする慎重派と、「大統領に従って一気に変えるべきだ」とする強硬派の間で分裂が起きています。この「ルールを巡る戦争」の行方が、あなたの資産や仕事、そして世界の形を決定づけることになるでしょう。


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