自民党本部での取材中に報道関係者から飛び出した発言が、思わぬ波紋を呼んでいます。
時事通信社は10月9日、同社の映像センター写真部に所属する男性カメラマンが「支持率下げてやる」などと発言していたことを確認し、本人を厳重注意したと発表しました。
問題の発言は生中継で拡散
発言があったのは10月7日午後。
自民党本部で、高市早苗総裁の取材対応を待っていた際に、
他社カメラマンらとの雑談の中で
「支持率下げてやる」
「支持率が下がるような写真しか出さねえぞ」と話す音声がネットの生中継映像に収録されていました。
その後、SNS上で音声が拡散。
一部の視聴者からは「報道の中立性を欠く発言ではないか」と批判の声が上がりました。
なお、SNS上では別の発言も確認されていますが、時事通信社は
「それらは日テレのカメラマンによるものではなく、映像センター写真部所属の男性カメラマンの発言」と説明しています。
時事通信社「報道の中立性に疑念を招いた」
同社の藤野清光・取締役編集局長は、
「雑談での発言とはいえ、報道の公正性・中立性に疑念を抱かせる結果を招いた」
として、男性カメラマンに厳重注意を行ったと発表しました。
また、斎藤大・社長室長は次のようにコメント。
「自民党をはじめ、関係者の方々に不快感を与え、ご迷惑をおかけしたことをお詫びします。報道機関としての中立性、公正性が疑われることのないよう社員指導を徹底します」
時事通信の対応についてのSNSでの反応
ポストの概要
今回の件について、時事通信社(@jijicom)の公式X(旧Twitter)アカウントが10月9日に投稿した内容が注目を集めました。
投稿では、同社カメラマンの発言確認と厳重注意を伝えており、
いいね約9,296件、Repost約7,161件、リプライ約1,568件、ビュー約186万回(10/9/12:50時点)と大きな反響を呼びました。
コメントの傾向まとめ
1. 「厳重注意では軽すぎる」とする批判
最も多かったのは、処分の甘さに対する不満でした。
「解雇や懲戒が妥当」「社としての会見が必要」といった声が多数。
- 「一般企業なら懲戒もの。厳重注意で済むなんて身内に甘すぎる」(@U220pfmpsy)
- 「危険な思想を持った人を報道に関わらせるな」(@kain0t0ra)
- 「社長も含めて責任を取るべき」(@swintu)
社内コンプライアンスの不備を指摘するコメントが目立ちました。
2. 報道の偏向や世論操作への疑念
次に多かったのは、「発言は氷山の一角」「報道機関の偏向体質の表れ」とする声です。
- 「支持率を操作しようとしている証拠。第三者機関の調査が必要」(@realist1192)
- 「他社が追及しないのも異常。これが常態化してるのでは?」(@hatarakitaro)
- 「みんな知ってたことが証明された。オールドメディアの信頼は地に落ちた」(@Patriot_discuss)
一部では、過去の「椿事件」を引き合いに出し、報道の政治的影響を懸念する声も見られました。
3. メディア全体への不信と皮肉
メディア全体に対する不信感も拡大。
「報道機関が上級国民化している」「国民を見下している」といった批判が多く寄せられました。
- 「一般企業なら謝罪会見必須。メディアだけ特別扱い」(@zakicchan)
- 「公平性を欠く社員を放置するのは組織の問題」(@MeronPa964337)
また、風刺的な画像(meme)で皮肉る投稿も散見されました。
「時事通信で“支持率”いじってみた」といったコラージュ画像が拡散されるなど、ユーモアを交えた批判も。
4. 全体の傾向
- 全体の7〜8割が批判的コメント。
- 支持的な意見はほとんど見られず、少数派は「誤解を恐れず謝罪した姿勢を評価」といった穏やかなもの。
- エンゲージメントの高いリプライは保守層アカウントが中心で、政治的背景を意識したコメントが多かった。
世論全体として、「メディアへの信頼低下」が鮮明に表れたポストとなりました。
背景にある「報道と政治」の緊張関係
この発言をきっかけに、SNS上では「報道のあり方」を問う議論が再燃しています。
一部のユーザーは「雑談であっても、公の場で政治的発言をするのは不適切」と指摘する一方、
「発言を切り取って拡散する風潮にも問題がある」と冷静な声も上がっています。
一方で、自公連立の合意が持ち越されるなど、政治の不透明さが続く中で、
メディアと政治の距離感があらためて問われる出来事となりました。

まとめ
報道機関の一言が、社会に与える影響は決して小さくありません。
一人のカメラマンの雑談が、メディア全体の信用問題へと発展してしまう――。
今回の件は、取材現場における「一瞬の油断」がいかに重く受け止められるかを示す象徴的な出来事といえるでしょう。
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