2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪。スピードスケート競技のハイライトの一つである「女子マススタート」決勝が、ミラノ・スピードスケート・スタジアムで行われました。氷上の格闘技とも称されるこの過酷な種目で、日本チームのエース、佐藤綾乃選手が世界の強豪を相手に魂の激走を見せました。
【トップ争い】オランダのフルーネヴァウトが完璧な勝利|北米勢が猛追
女子決勝を制したのは、スピードスケート王国オランダのマライケ・フルーネヴァウト選手。終始落ち着いたレース運びで、勝負どころを逃さない王者の貫禄を見せつけました。
盤石のレース展開
フルーネヴァウト選手は、中間ポイントでの激しい争いには深入りせず、最終スプリントに全エネルギーを集中させる戦略を徹底。
- 最終スプリントの爆発力: 最後の直線で他を圧倒するスピードを見せ、フィニッシュで最大の60ポイントを獲得。合計60ポイントで、文句なしの金メダルに輝きました。
北米勢の躍進
2位にはカナダのベテラン、イバニー・ブロンディン選手(40pt)、3位にはアメリカのミア・マンガネロ選手(20pt)が入り、表彰台を北米勢が固める結果となりました。地元イタリアの期待を背負ったロロブリジーダ選手は4位に終わり、メダルまであと一歩のところでした。
【日本人選手の激闘】佐藤綾乃:第1ラップから仕掛けた「攻めのスケート」
平昌五輪の金メダリストであり、日本チームを牽引する佐藤 綾乃選手。結果は15位(8分36秒58)となりましたが、その走りは順位以上のインパクトを残すものでした。
序盤から主導権を握る積極性
佐藤選手はスタート直後、集団が牽制し合い様子を伺う中で一気に前に出る積極策を選択。
- 圧巻の第1ラップ: 全16選手の中で最速となる52.89秒をマーク。真っ先に先頭へ躍り出て、自らレースの主導権を握りに行くという、強い意志を示しました。
中盤の粘りとラストスパート
中盤、各国の戦略が交錯しペースが激しく上下する過酷なサバイバルレースとなりました。
- ラップタイムの分析:
- 第6周(37.85秒)や第10周(38.15秒)といったスローペースの局面でも集団の好位置をキープし、好機を伺います。
- 第12周のスプリントポイント直前では29.11秒までギアを上げ、再び上位進出を狙う姿勢を崩しませんでした。
- 終盤の意地: 体力が削られ、疲労がピークに達する第15周で29.36秒、最終周では26.18秒と、最後の最後まで諦めない魂のスプリントを見せました。
女子マススタート決勝:最終順位と詳細リザルト
| 順位 | 選手名 | 国名 | ポイント | タイム |
|---|---|---|---|---|
| 金 | マライケ・フルーネヴァウト | オランダ | 60 | – |
| 銀 | イバニー・ブロンディン | カナダ | 40 | – |
| 銅 | ミア・マンガネロ | アメリカ | 20 | – |
| 4 | フランチェスカ・ロロブリジーダ | イタリア | 10 | – |
| 5 | バレリー・マルテ | カナダ | 6 | – |
| 15 | 佐藤 綾乃 (SATO Ayano) | 日本 | 0 | 8:36.58 |
まとめ:積極策で見えた収穫と、ミラノの氷に残した足跡
今回の佐藤綾乃選手の滑りは、単に「完走する」のではなく「勝ちに行く」ための果敢な挑戦でした。第1ラップでのトップ通過は、世界のトップ選手たちに「日本に佐藤あり」を改めて印象付けるシーンとなりました。
マススタートという予測不能な競技において、自ら風を切り、展開を作ろうとした佐藤選手の勇気ある走りは、多くのファンの胸を打ちました。メダル獲得とはなりませんでしたが、この大舞台で見せた「攻め」の姿勢は、必ずや次なる国際舞台への大きな糧となるはずです


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