2026年、イタリア。ミラノの街とコルティナ・ダンペッツォの白銀を舞台に、冬季五輪がいよいよ幕を開けます。今回、フリースタイルスキー日本代表として選出されたのは、史上最強との呼び声高い20名の戦士たち。お家芸のモーグルから、歴史を塗り替えるエアリアルまで、一人一人の物語を紹介します。
モーグル:王座奪還と「新種目」への野心

今大会から、2人が同時に滑りタイムと技を競う「デュアルモーグル」が正式種目に採用されました。日本勢のメダルラッシュに期待がかかります。
男子:エースと追う若き才能
堀島 行真 (Ikuma Horishima)
北京五輪の銅メダルから4年。彼は「金」以外を見据えていません。世界王者として君臨し続ける絶対的エースは、今季、人類最高難度の「コーク1440」を武器に、シングルとデュアルの2冠という伝説に挑みます。
島川 拓也 (Takuya Shimakawa)
W杯で表彰台に上り詰め、一気に代表の座を射止めた期待の星。守りに入らないアグレッシブな攻めのターンは、世界の強豪を震え上がらせるポテンシャルを秘めています。
西沢 岳人 (Takehito Nishizawa)
「精密機械」と称されるほど安定したターンと、空中での美しいフォームが持ち味。過酷なコース状況でもスコアをまとめ上げる技術力は、メダル争いの鍵を握ります。
藤木 豪心 (Goshin Fujiki)
チーム最年少クラスながら、そのスピード感は世界屈指。リズムに乗った時の爆発力は計り知れず、ミラノの地で「藤木旋風」を巻き起こす準備は整っています。
女子:百花繚乱のターン
冨髙 日向子 (Hinako Tomitaka)
長年、日本女子モーグルを牽引してきた大黒柱。悲願の表彰台へ、磨き抜かれたターン技術で勝負に出ます。彼女の滑りは、次世代への道標でもあります。
柳本 理乃 (Rino Yanagimoto)
女子モーグル界で「エアの柳本」の名を轟かせます。男子顔負けの高度な空中技を完璧に着地させるその姿は、観客を魅了して止みません。
中尾 春香 (Haruka Nakao)
柔軟な膝のクッションを活かした滑らかな滑りが特徴。プレッシャーに強いメンタリティを武器に、大舞台で自己ベストの更新を狙います。
藤木 日菜 (Hina Fujiki)
代表チームのフレッシュな顔ぶれ。初出場という勢いを味方につけ、怖いもの知らずの滑りでどこまで上位に食い込めるかに注目です。
✈️ エアリアル:兄妹で刻む日本スキー界の歴史
高さ15メートルのジャンプ台から空へ放たれる、究極の空中アクロバット。
五十嵐 晴冬 (Haruto Igarashi)
北海道・名寄が生んだ、日本の空飛ぶエース。3回転ジャンプに複雑なひねりを加える「レイ・フル・フル」の完成度は世界トップレベル。日本のエアリアル界を背負って立つ覚悟がその跳躍に宿ります。
五十嵐 瑠奈 (Runa Igarashi)
日本女子として20年ぶりの五輪出場。兄・晴冬とともに、史上初の「兄妹揃っての五輪エアリアル参戦」という快挙を成し遂げました。美しくダイナミックな空中姿勢は、日本エアリアルの新時代の象徴です。
🏁 スキークロス:雪上の格闘技、悲願のメダルへ
4人が同時にスタートし、接触をも厭わぬ激しいバトル。一瞬の判断が生死を分けます。
須貝 龍 (Ryo Sugai)
不屈の闘志で走り続ける日本スキークロス界のレジェンド。幾多のケガを乗り越え、たどり着いたミラノ。ベテランにしかできない老獪なコース取りで、日本人初のメダルを狙います。
古野 慧 (Satoshi Furuno)
北京に続く2度目の五輪。スタートから第一コーナーまでの加速力は世界でも指折り。序盤で主導権を握り、そのまま逃げ切る必勝パターンを持ち込みます。
小林 竜登 (Ryuto Kobayashi)
どんな狭い隙間からも追い抜きをかける、度胸満点のスピードスター。若手らしい積極果敢な走りが、混戦を切り裂きます。
中西 凜 (Rin Nakanishi)
アルペンスキーで培ったエッジング技術をスキークロスに昇華。雪面を捉える力強さは、タフなコース設定ほど威力を発揮します。
向川 桜子 (Sakurako Mukogawa)
豊富な経験に裏打ちされた戦術眼が武器。混戦の中でも冷静に状況を見極め、最短ルートを突く走りに注目です。
新井 真季子 (Makiko Arai)
圧倒的なフィジカルと勝負強さを併せ持つ実力派。女子スキークロス界の歴史を塗り替えるべく、全力のパッシングを見せてくれるでしょう。
🎢 ハーフパイプ & 🚀 ビッグエア:次世代の風
自由な発想とスタイルで、空中にアートを描く若き才能たち。
松浦 透磨 (Toma Matsuura)
ハーフパイプの壁を誰よりも高く飛び、独創的なグラブで自分を表現します。彼が求めるのは、勝利だけでなく「誰にも真似できないスタイル」です。
桐山 菜々穂 (Nanaho Kiriyama)
女子ハーフパイプの期待の星。安定した高さと着地の美しさは、審判の評価も高く、決勝での上位進出に期待がかかります。
近藤 心音 (Kokone Kondo)
ビッグエアで世界を驚かせる19歳。女子では数少ない高難度回転技に挑戦する姿勢は、フリースタイルスキーの未来そのものです。
古賀 結那 (Yuna Koga)
滞空時間の長い、浮遊感のあるジャンプが持ち味。ミラノの夜空を背景に、完璧な放物線を描き出し、表彰台を狙います。
まとめ:日本代表がミラノの空に刻むもの
ミラノ・コルティナ2026におけるフリースタイルスキー日本代表は、まさに「経験」と「革新」が融合した布陣といえます。
- 絶対的エースの進化: 堀島行真選手を中心としたモーグル勢の層の厚さは、世界最強レベルにあります。
- 歴史的快挙への挑戦: 五十嵐兄妹によるエアリアルの新風や、スキークロス勢の日本人初メダルへの期待は、これまでにない熱狂を呼ぶでしょう。
- 次世代の表現力: ハーフパイプ、ビッグエアで見せる若手たちのスタイルは、競技の枠を超えた感動を約束してくれます。
日本代表全20名。それぞれの背景、それぞれの想いを乗せて、彼らはイタリアの雪原へと飛び立ちます。その一滑り、一跳びに、日本中が熱狂する17日間が始まります。




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